読書感想「ツインスター・サイクロン・ランナウェイ」
ハヤカワ文庫JA「ツインスター・サイクロン・ランナウェイ」著者:小川一水
https://www.amazon.co.jp/dp/B085TF4586/ref=cm_sw_r_tw_dp_NZ86R0R4MK1C1S0652JV
結論から言うと、こんな感想記事読んでいる暇があったら本屋に行くか電子書籍で買って読んでほしい。
『SF、バディもの、変形する宇宙船、ガス惑星、漁業、かわいい、百合』この辺りのどれかにピンと来ればもう全然楽しめると思う。
中には百合要素が苦手な人もいると思うけど、同性愛と言うよりは、枠(性別)にとらわれずに相手と惹かれ合うみたいな感じ。
文章もターゲットの年齢層が高くないのか、本格SFとラノベの間みたいな感じでスイスイ読める。
メイン2人がいいキャラしているのは勿論のこと、終盤の手に汗握る怒涛の展開や、作品の世界観、何より『デコンプ』が凄くいい。
アニメ化してくれないかな…
ーー以下ネタバレ無し長々感想雑記ーー
【ここ好きポイント1:表紙】
望月けいさんのイラストが好き。
最近だとFGOの妖精騎士トリスタン、keyのLOOPERSのイラストを担当しているし、よくVTuberのイラスト描いてるので見たことある人はいると思う。
あの独特のタッチと彩色が好きなんだけど……まあ、そんなわけで、表紙のイラスト担当が望月けいさんで、SFで、百合と来たら、買うしかないわけで。(刊行からだいぶ経ってから買ったんだけど)
【ここ好きポイント2:要素多いけどいいバランス】
元々は百合SFアンソロジーという短編集に乗っていたものを書き直して長編にした作品で、冒頭で言った通り、SFでバディもので変形する宇宙船が出てきてガス惑星で漁業をするかわいい女の子たちが百合百合する話である。要素多いな。
個人的なイメージだけれど、百合要素を強くすると女の子がいちゃいちゃするだけの作品になるし、SF要素を強くすると小難しい話になると思う。でもこの作品はその2つの要素のバランスが凄く良い。
【ここ好きポイント3:世界観】
ざっくり言うと地球から離れたガス惑星で、昏魚(ベッシュ)という魚の様な宇宙生物を漁で捕まえて、資源として輸出することで生計を立てている種族の集団のお話。
遠い未来の話なので、物凄く技術が進んでいるが、現代の地球の知識が継承されていなかったり、都度都度出てくるプリンタ技術の様に効率化した結果、大事なものがなくなってしまったものもある。
この辺の世界設定が考察しがいがあって楽しい。
【ここ好きポイント4:デコンプ】
昏魚を捕まえる2人乗りの宇宙船、礎柱船(ピラーボート)。その操縦者となるツイスタと、網を準備するデコンパ。
そしてこの礎柱船は全質量可換粘土で作られていて、変形する。自由自在に。
精神脱圧(デコンプレッション)というデコンパの脳内イメージで、そのとき行う漁に合わせて、船体粘土を変形させて船体の変形、網の形成を行う。
このデコンプの設定と物語での使い方が中々に熱くて良い。
そして映像でデコンプを見たい…
【ここ好きポイント5:キャラが良い】
主役2人がとても良いキャラしてる。
テラ:24歳。身長諸々デカい。大人しい性格。想像力豊か過ぎてぶっ飛んだ船と網を作りがちなデコンパ。
ダイオード:18歳。小さい。態度はデカい。家出少女の訳ありツイスタ。
氏族も育った環境も性格も違う凸凹コンビが様々な苦難を乗り越えて仲良くなっていく。割と王道なストーリー。でもそれが良い。どう良いかはもう読んでくれ。
2人は礎柱船に乗るときに舶用盛装(デッキドレス)という衣装に着替えるんだが、これが毎回違う。文字では描いてあるのだけれど絵で見たい…
というわけで、読んだら布教したくなったので、文章を書く練習ついでに感想記事を書いてみた。
アニメ化してくれないかな…
綺麗に終わってるけど続編出ないかな…
とか言ってたら続編出るみたいなのでとても楽しみ。
夏の終わり
もうそろそろ夏が終わるわけだけれど、去年よりもさらにコロナが広がっている。
なので常識のある大人は夏っぽいことあんまりできていないと思う。
ダメな大人は店で大人数で酒飲んだりBBQしたりして、それでも運良く感染しないからコロナなんて他人事みたいに考えてるんだろう。というか、そう考えてるって先月辞めた会社の上司が言ってた。これだから大人は…
今までの夏だったら花火見たり、お祭り行ったり、海行ったり、山行ったりと家族や友達とみんなお出かけしたりしたいところだけれど、大半の人間は我慢して家でゴロゴロしているんだろうな。
でもこのご時世のおかげで、通販とか読書とかゲームとかYouTubeとか、家の中でできる遊びが全体的に流行ってきてるのを感じる。
個人的にはここ最近で買ったのだとKURANDの酒ガチャとかPan&の冷凍パンのお取り寄せはなかなか良かった。
あとめちゃくちゃVtuberとか見るようになった。
学生さんとかは今絶賛夏休みだろうけど、休み明けからは学校でデルタ株が広がってしまいそうで大変そうだなというか、国はまた事前に何もしないんだな…
オリンピックは感染拡大してでも利益があるし日本のパフォーマンスになるからやりたい。
国民の生活や命は責任とりたくないからとりあえず自分たちでなんとかしてくれ。
という印象が強い。
やるならちゃんとやれ!!って思うし、政治家も当事者意識が全くないんだろうなと思う。
この夏で思ったことをざっくり書いてみた。
最近FGOに思うこと(ネタバレはない)
FGO2部6章 妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ
奈須きのこが執筆したなら当然面白いのだろうという、上ったハードルを軽々飛び越えていったとても切なくて救いのない重厚なシナリオだった。
思ってたより影が薄かったというか周りが濃かったから出番が少ないのか?な人がいたけど。
FGOはスマホゲーでキャラクターゲームという都合上、ガチャで出るサーヴァントには見せ場と活躍が約束されているし、世界を救う戦いなので仲間も多くて緊張感に欠けるな〜というのが正直あったのだけれど、メインシナリオはなんだかんだで毎回面白いなと再確認させられた。
それと同時に、もうスマホゲーじゃなくてよくない??とも思った。
おれはTYPE-MOON作品が好きだから、FGOも事前登録からずっとやっている。
佐々木小次郎がドラゴンスレイヤーとして名を馳せていた頃から笑
あの頃から考えるとFGOは良いゲームになったとは思う。
1部が終わって1.5部をやって2部が始まった辺りまでは周りでもアクティブユーザーが多かったし、メインシナリオの更新もそれなりの頻度だった。早くはないけど。
FGOが重厚なシナリオで勝負できるコンテンツだと証明できたことは良かったし、売上が上がることでコンテンツが強化されていくのも良かったが、正直売れすぎてしまったのが良くなかったのではないか?と最近思う。
そう、このゲーム、良くも悪くもシナリオだけで売れてしまったのだ。
【シナリオの出来がいいからキャラが欲しくなる→ガチャを引く】
これだけ。これだけで成功してしまったので、他の部分を時代に合わせて調整したり、ライトユーザーが遊びやすくするということを一切考えていない。
今年で6年目になるが、年々新しいゲームが発売されていくスマホゲー市場で、天井もスキップもオートもいまだに存在しないゲームは珍しいというか存在するのだろうか??という感じである。
そして周年記念で毎年追加される新要素も、遊びやすくなるものは追加されず、新しい育成要素が増える。ここに喜ぶのは重課金者やある程度長くやっていてやることがなくなったユーザーぐらいなのではないだろうか。
少なくとも周りのユーザーは育成要素が足りないというより育成がだるい、イベントの手動周回がめんどくさい。という理由でFGOから離れているし、自分も周回だるいからもうメインストーリーだけ追いかければいいかと思ってしまうレベルでやる気は削がれている。
このスピード感だと完結するのは早くて2022年末だろうか。
変に引き伸ばさないでちゃんとストーリーが完結して続かないことを願いたい。
正直サーヴァント増えすぎて一人一人の出番も思い入れも薄くなってきているのもあるし他のゲーム出して欲しい。
色々文句は言ったけれど手持ちのサーヴァントは全員レベルMAXだし課金も通算で考えるとまあまあしてるアクティブユーザーでもこれくらい思うことはあるよということで。